野菊の墓

野菊の墓』という小説をご存知でしょうか?

松田聖子山口百恵が主役で映画化されてもいますが、ご存知の方は私と同年代かそれより上かでしょうね。笑

15歳の少年・斎藤政夫と2歳年上の従姉・民子との淡い恋を描いたこの小説、夏目漱石が絶賛したそうですが、伊藤左千夫が発表してから既に110年もたつのですね。

民子、政夫と言う名前に時代を感じますが、『菊』という花も最近はすっかり主役の座を退いた感があります。

床の間のある和室が珍しくなった昨今、あまりにも日本的な佇まいの菊を活ける機会は少ないですね。

私も若い頃は何だか古臭くてあまり好きになれない花でした。
お葬式かお仏壇、またはお正月の花という認識でしょうか?

しかしながら今、追分の道端に咲く野菊はあんなに小さくても目に止まり、惹きつける魅力に溢れています。

まぁ、私が年をとったということなのかもしれません。

「民さんは野菊のような人だ。」という印象的なくだりが懐かしく思い出される追分の秋の景色も、もう雪に変わります。

今度、追分宿の油やさんで探してみようかなー。『野菊の墓